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 ◎「ハンカチ」が「半価値」になってシマッタ

 新しい年の始まり。東京オリンピック・パラリンピックの年だ。日本のトイレのすばらしさを世界の人に知ってもらう年だ。
ところで最近の若者はハンカチを使わなくなったようだ。近くに住む大学生の孫息子に尋ねてみた。「ハンカチ?ほとんど使わないよ。トイレにはドライヤーがあるし、汗は衣服の袖で拭く友達もいる。女子でもハンカチの使用は減っていると思う」
なるほど、この傾向は若者だけじゃない。ハンカチ世代の私ですら、外出時のポケットにハンカチは用意しているものの使ったことはない。そういえばデパートのハンカチ売り場は小さくなった。贈答にもハンカチセットは人気薄とか。「ハンカチ」で思い出すのが「ハンカチ王子」。早実の斎藤投手が甲子園のマウンドでポケットからハンカチを取り出し汗を拭ったあのシーン。もう13年も前のこと。ちょうどそのころ公共のトイレではハンカチやタオルに代ってペーパータオルが使われ始めていた。ハンカチは「あまり使われないもの・珍しいもの」になりつつあったのだ。その後ハンドドライヤーが登場してハンカチは激減して「半価値?」となっていく。もう一つの理由はジーンズの普及である。ジーンズにポケットはあるが「物を入れる」機能は2の次。せいぜいコインとキー程度の小物。ハンカチや財布を入れるのは無理。ましてやスマホや財布、定期券・・・などもっての外。
ところで話は古くなるが、私の母はサラリーマンの父を毎朝玄関で送り出すとき、何やらブツブツ同じことをつぶやいていた。「何を言っているのかな?」と尋ねると、父の持ち物のチェックを「鳩が豆食ってさ」の頭文字7つで確かめているのだと教えてくれた。
ハ=(ハンカチ)ト=(時計)マ=(万年筆)メ=(名刺)ク=(くし)テ=(定期)サ=(財布)。なるほど。今では懐かしい品々。当時のサラリーマンのポケットを膨らませていたまさに7つ道具だった。
注★慣用句 「鳩が豆鉄砲を食う」
突然の状況に驚いてあっ気にとられ、きょとんとしている状態。「食う」は「食らう」
ことで「食べる」ではない。
☆ポケットからハンカチが消えていった経緯はトイレでの手洗い後の乾燥の仕方やパンツの細身化と関係が深いことがお分かりいただけたと思う。ところで男性の中には「もともと男は小用の後で手を洗う必要はない」と考えている人がかなりいる。理由は「汚いものを触ったわけではない」。一理ある。元々そう考えている人には手洗い器も乾燥機もハンカチも
いらない。
さて、オリンピック・パラリンピック。日本のトイレのすばらしさを実感されるであろう海外からの皆さん。一方でコックピットの内部のように数々の慣れない機器、センサー、インデックスが並ぶ個室トイレでの未知との遭遇。面喰って思わず警報ボタンを押してシマッテ警備員がとんできたりして・・・「鳩が豆鉄砲食らう」ことなきよう。