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 ◎細身になった「小便器」と「パンツ」と「?」。

         

 高齢化が進む。高齢者の定義も変わっていく。一応65歳以上が高齢者、75歳からが後期高齢者と便宜上区別されているのだが、さらに高齢化が進むと「後期」の該当者が増えて次の区分が必要になるだろう。「末期高齢者」だけは勘弁してほしいものだ。ところで最近耳にしなくなったのが「お爺さん」の愛称。そもそも何歳からが「お爺さん」だったのか。明確な基準などあるはずもない。おおよその基準とされたのが童謡の「船頭さん」に登場する60歳のお爺さんらしい。♪♪村の渡しの船頭さんは今年60のお爺さん♬。今の60歳はまだピンピンの働き盛りなのだが。サテここからがトイレのお話。女性には縁の薄い小便器だが・・・。その歴史をたどってみよう。
☆60歳以上の方ならよくご存じだろう。お世話になった小便器はあの朝顔型。ところがオシッコを受ける面が高い位置にあって子どもには使いにくかった。不特定多数の人が利用する公共のトイレには不向きだったのだ。☆次に登場したのが年齢に関係なく使用できるストール型の小便器。長方形の箱の一面をカットしたような形状が馬小屋に似ていることからストール(stall)と呼ばれた。朝顔形よりも原価も定価も上がったが、両端に袖があるために小便器を連立する際に仕切り板を設ける必要がない利点があった。しかしこのタイプは床に据え置くので床掃除がしにくい難点もあった。☆その点を解決して登場したのが壁掛け式のストール型。今も公共トイレでよく使われている。
小便器の改良はその後も急ピッチで進んでいる。
① ≪清掃性の向上≫小便器の両サイドの袖の内側も掃除しやすいよう形状を変更。洗浄水がいきわたるように形状も変更。陶器の表面に新釉薬を焼きつけて汚れを防止。モップなどで掃除しやすいよう便器の下部と床の間に隙間を設けた。
② ≪使用勝手の向上≫
小便器の背丈を低くして上に棚が設置できるスペースが生まれた。よく見ると便器の内側が少しえぐれているのは自分の飛沫を浴びないための工夫のようだ。その分便器に近寄れる。
③ ≪節水・操作の工夫≫一回当たりの使用水量は大幅に減っている(4ℓが常識だったのは昔のこと、今では1ℓ程度にまで減った。(メーカーによって差があるのでもっと進んでいるのかもしれない)。大幅な節水を可能にしたのは便器の形状、流れの工夫だけではない。センサーの改良によるところも大きい。かくして小便器は細身(スリム&スマート)に変身した。最近スリムになったものが他にもある。それはパンツの裾である。スリムな小便器の前にスリムなパンツの若者が立つと実にカッコいい。ついでにもう一つスリムなったものがある。キャッシュレスでお札が減った財布である。慌ただしかった令和元年も残り少ない。来年が良い年でありますよう。