水廻の総合商社  

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 ◎「非常にヤバイ」けど「結構大丈夫」?

    

 東京と横浜を結ぶ東急東横線。午後3時ころの車内に私は座っている。朝夕はスシ詰めの車内だがこの時間は閑散。「自由が丘」の駅に止まると高校生がドッと乗り込んできた。前の空席も私の横も女子高生で埋まってしまった。男子生徒はドア付近に固まって立っている。この情景(男が立って、女が座る)はここ数年ほぼ同じだが、大きく変わったことがある。誰もしゃべらない。会話がない。みんなスマホの画面を凝視して指だけがスース―と動く
(5本の指のうち親指だけがこまめに働いてあとの4本はスマホの支え役)。
かってのあの甲高い嬌声と意味不明のペチャクチャは今いずこ。 次の駅で乗ってきた数人のサラリーマンも食い入るように画面を見ている。
そんなわけで車内からは最新の「イマ言葉」は聞き出せない。残念!

〇「この味クセになりそう」「全然うまいよね」などはもう新古語の部類。テレビや若者の雑誌で「イマ言葉」を探すと。いっぱい出てきた。しかしどんな時どう使うのか微妙なところは分からない。「ヤバイ」「カワイイ」などの言葉が昔とは違った意味で使われていることだけは分かる。

〇3人の若い女性の会話。「今度の部長カワイクネ」「ソダネ、チョーカワイクネ」と2人は語尾を少し上げて同調したが、一人は「そうかなあ―、ワタシ、カワイクネー」と語尾を強めて反対意見。部長さん、カワイイといわれてニヤツイテル場合ではない。語尾まで確かめないとキミの評価は真二つに割れていますゾ。
この程度で驚くことはない。もっとすごい言葉や、短縮言葉、造語、珍語、サイン、絵文字などが氾濫していることだろう。若者だけ、女性だけが新語を生み出しているわけではない。

〇来日間もない外国人の方々が戸惑う表現があるようだ。「危険を感じたら非常口へ」「非常の際はボタンを押して」などと教えられたのに「皆さんは非常に頼もしい」「その考え方は非常に優れている」「この料理は非常にうまい」などの表現には困惑するようだ。
挨拶の中でやたら「非常に」を繰り返す政治家や会社のエライさんがいる。大した意味もないただのクセなのだが、この言葉を聞くと「不安になって周囲を見渡す」とか。

〇「大丈夫」と「結構」も使い分け聞きわけがむつかしい。
今日も駅前でテッシュが配られている。「どうぞ」に対してサッサともらっていく人、手で断る人は別にして、声を出して断っている人の「断り言葉」はどうなのか。実際に配っている人に聞いてみた。結果は非常に面白い。高齢の人で多いのが「結構です」若い人は「大丈夫」か「いらない」。若い人に聞くと「結構」はpositiveに使われるがnegativeには使われないという。

〇トイレの個室で「ゴソゴソ、カタコト」音がする。心配して「ダイジョウブ?」と声をかけると中から高齢女性の声で「結構です」?
何が大丈夫で何が結構なのか。体調なのか操作なのかトイレットペーパーなのか?
スマホを流してシマッタなのか?