水廻の総合商社  

ブログ

 ◎トイレを見れば会社がわかる

 会社を知るための資料なら今はいくらでも揃っている。上場企業はもちろん中小企業でも。しかし半世紀前はどうだったろう。上場企業であれば概要を知ることはできても、社風や社員の評判などまでは分からなかった。当時、会社の評価の尺度とされたのが、今は懐しい電話交換手だった。外部から会社の代表番号に電話すると、まず電話交換手が受けて、それから社内の各部門に取り次がれた。当然声がきれいで応対の良い女性が選ばれたわけで「○○会社の交換手は素晴らしい、一度会ってみたい」などと噂が広まったことも。その声と印象から社風が感じ取れたので「交換手の声で会社がわかる」といわれたものだ。その後電話はダイアル式からプッシュ式にさらには携帯へと形を変えていく。当然電話交換手の仕事も消えた。次の尺度が「受付嬢」だった。彼女たちの第一印象、物腰で会社がわかるといわれたものだ。しかし昨今は「受付」をおかない会社が多い。ロボットが応対、インターホンでつなぐ方式などに代わってきた。「受付嬢」なる呼び名はもはや死語に近い。

★では会社の評価は何をもってなされているのだろうか。
「社員を見れば会社がわかる」これは昔から言われてきたことだ。「やっとまともな評価基準が戻ってきた」と思ったらそうでもない。
昨今は正社員だけが社員ではない。非正規社員、派遣社員などなど様々な社員が存在する。
会社の合併、買収、分割・・・・、組合の在り方も変わってきた。「愛社精神」「帰属意識」そのものが揺らぎ始めている。働き方改革法案の成立によってさらに細分化、多様化していく。社員教育の在り方も根本から見直されるだろう。

★「トイレを見れば会社がわかる」これも古くから言われてきたことだが。最近またクローズアップどころか強調され始めた。例えば会社のトイレ掃除を新入社員に義務づけたり社長自らが率先してトイレ掃除に励むなどなど・・・・、トイレット博士としては誠に嬉しいことだ。
会社の中ではトイレは隠れた存在である。しかし社員はもちろん外来の客にとってもなくてはならない存在。トイレでの印象の良し悪しは会社の評価を左右する重要ポイント。

★「最新の機器をセットすればよい」というものでもない。大切なのはメンテナンスである。「専門業者に任せているから大丈夫」でもない。使う人の気持ちに配慮した心使いが大切。例えば個室の使用状況の告知、トイレットペーパーの常備、洗面器、鏡をきれいに、ドアの開閉具合、オート水栓、ハンドドライヤーの調整など。使用者へのきめ細かい配慮は必ず評価される。「社長みずからトイレの清掃」を実践している会社は全国各地に存在する。北海道の代表的な銘菓を全国区の商品にまで成長させた社長もそのひとりと、最近のテレビで知った。北の地の花をあしらったアノ包装紙がますます輝いて映る。