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 ◎「クセ」を読んだり読まれたり


  

 「盗む」で始まる言葉といえば「強盗」「窃盗」「盗聴」「盗撮」などなど・・・・いずれも犯罪である。トイレがこれら犯罪の場に使われることが多いのは困ったことだ。トイレはドアを閉めれば「ひとりボッチの密室」。特に公共のトイレは狙われやすい。
ひところ女性トイレでハンドバッグを盗まれる事件が多発した。その手口はこうだ。犯人は先端に釣り針状のフックがついた細いロープを手に隣の個室で待機する。「ジャー」の洗浄音と同時に釣りあげる。犯人によれば「成功の秘訣はこのタイミングにある。女性は発射音をカモフラージュするため、発射と同時に洗浄ボタンを押すものだ。この大きな音が釣り糸のかすかな音を隠してくれる」のだと。女性の習性(クセ)をうまく利用したわけだ。最近では天井の設計やハンガーや棚の位置が工夫され、この種の盗難は減った。

★一方よい「盗み」もある。野球ファンならだれもがご存知「盗塁」である。盗塁の成否で試合の局面は大きく変わる。同点の9回裏、2アウトランナー1塁からイチかバチかの盗塁が成功、次のバッターがライト前にヒット。ランナー生還でサヨナラ。この夏の甲子園でも「盗塁」が試合を決めた場面はたくさんあった。成功・阻止の決め手は双方の「クセ」の徹底研究にあるようだ。走者は投手、捕手、コーチまでもの「クセ」を読んで一瞬の判断をする。投手も然り、走者の「クセ」を見逃さない。あの一瞬の緊張感がたまらない。野球人気が衰えないどころか盛り上がり続けているのは「盗み」のスリルをルールに取り入れたことだ。ちょっと大げさだが私はそう思う。

★「クセ」といえばテレビでおなじみのコメンテーターや評論家、専門家のしぐさや話しぶり。中でも特徴的なのがクチグセ。多いのが①「私に言わせれば~」だから言わせてるんだよ。②「逆に言えば~」どこが逆なのか最後まで分からない。③「問題は5つあると思う~」3つ目までは出てきたがあとの2つはウヤムヤ。④「先ほども申しましたが~」先ほど言ったのは他局の番組じゃないのかな。⑤「ご承知のように~」私知らないんだけど。

★これらの「クセ」はまあカワイイとしても、こんな「クセ」には注意しよう。「トイレで不倫発覚」昔見た映画で、外から帰った旦那がトイレに入って「便座が立ったままだったことに疑念を抱き」奥さんの不倫を問いただすというもの。映画の題名もストーリーのながれも結末も忘れてしまったが、その部分だけは憶えている。つまり自分も妻も用便の後には必ず便座は閉じるのに?だれか別の男が使ったのではないか?と疑ったわけだ。一度や二度ならとっさに「掃除の途中」でごまかせたはずだが、妻の不倫を以前から疑っていた旦那が「決め手」に便座を持ち出したのだろう。今なら指紋、毛髪、DNAなどの鑑識や隠しカメラ、レコーダーなどの秘密兵器でシロクロはっきりする。しかしまだ「クサイ?怪しい??」の段階ではちょっとした「クセ」が曲者をあぶり出す決め手になることも。トイレ、浴室、洗面所での「クセ」には特にご注意を。例えば「トイレットぺーパーの切り方」も。