水廻の総合商社  

ブログ

 ◎昔も今も「オツリ」は嫌われモノ


  

 東京オリンピック・パラリンピックに向け何もかもが急ピッチで進む。ところで前回の東京五輪当時の腰掛(洋風)便器の普及率はどうだったのか。メーカーのデータによれば20%~25%。圧倒的にしゃがみ式(和風)が多かった。
腰掛式の普及を妨げたのは①他人の肌が触れた後に座りたくない。②腹圧がかからないので出が悪い。③はねっ返り(オツリ)が気になる。この3つの要因であった。
★③の「オツリ」についてメーカーは「そんなに汚いものではない」「気になる人はあらかじめ水面にトイレットペーパーを数枚浮かべて・・・」とアドバイスしたものだ。このような当初の抵抗要因も、時とともに薄れ「しゃがむより腰かける方が楽」が実感されるにつれ和・洋比率は大逆転。
★昨今また「オツリ」が問題になり始めた。トイレではない。スーパーマーケット、ドラッグストア、そしてコンビニまでもが「現金支払い」から{キャッシュレス」へと決済方法を急速に変えつつある。★これまでキャッシュレス決済といえばクレジットカード、プリペイカードや電子マネーなどが一般的だったのだが。最近はスマホなどでの決済が増加してきた。キャッシュレス決済の推進は政府の大方針だから今後は先進諸外国並みのレベルにまで急速に進むことは明らかである。
★そこで困るのが高齢者。最近スーパーマーケットのレジで見かけるこんな光景。
ひとりの高齢男性がレジカウンターで慌てふためいている。財布からカードを出す。1枚じゃない数枚はありそう。クレカやプリカではないようだ、その店のカードのほかに何やら提携店のカードもある。いずれもポイントを加算してもらうためのカードだ。さらに、その店独自の高齢者のための敬老ポイントカードも出てきた。★レジの女性は「お支払いは合計で1,328円になります。ポイントは合わせて7ポイント。さらに今日は特別ポイントとして3ポイント加算されますよ」「敬老ポイントは付けてくれたのかね?」「はい、付けましたよ」★財布から1,000円札が出てくる。続いて小銭入れから328円だが、なかなか出てこない。「お客さん327円しかありませんのでもう1円お願いします」サアー大変。1円玉がないようで、面倒くさそうに10円玉を出す。「オツリ」をもらって玉の数を確認する。その間、本人もレジの人も後続のお客さんもイライラ・・・・。
この光景笑っていられない。「明日は我が身」どころか「今の我が身」なのだ。巷から現金が姿を消し「オツリ」が消える日も近いだろう。
★さてイライラはレジだけではない。トイレもそうだ。ズラリ並んだ公共の小便器。ここでも高齢者は嫌われる。モノの出し入れに手間取る。若いころのような勢いはないから「はねっ返り」は少ないものの「たれ受け」の手前や床が汚れる。次の人は汚れを避けようとさらに後方に立つ。こんな「オツリ」はいらない。やはり嫌われモノだ。