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 「多目的トイレ」は「他目的トイレ」?


               

 長かった10連休が終わって世間には活気が戻ってきた。連休中の行楽地は賑わい、高速道路は超渋滞、幼児や小学生が巻き込まれた悲惨な交通事故が多発した。それ以外にもこの期間に増えたのが①運転免許の自主返納②離婚届③退職・転職届らしい。なるほど。長い休みが「立ち止まって考える時間」を与えてくれたわけだ。連休中静かだったのはビジネスマンや学生の消えた東京や横浜の中心街やターミナル駅周辺。おかげで私はゆっくり公共トイレの実態調査がやれた。最近のトイレ機器や使用状況などは頭では理解しているつもりでも実際に使われている現場を目や耳で確認しておかなければ。自信をもって語れない。「そんなことはいつでもやれるだろ」と言われそうだが、そうはいかない理由が2つある①使用者の多い場所や時間帯に公共(駅・ビル・商業施設など不特定多数の人が使う)トイレを覗いて、メモをとったりスマホで撮ったりでは邪魔になって嫌われる。特に女子用トイレには近づくだけで白い目で見られる。②現役時代の私なら名刺や人脈を頼ってサッサと取材、撮影がやれたのだが、いまは自分を証明するものがない。というわけで私にとって連休は「現場探訪・実地検分・資料収集」には絶好のチャンスだった。公共トイレの中でも最も知りたかったのが車椅子で入れる広めのトイレ。名称は「多目的トイレ、多機能トイレ、みんなのトイレ、だれでもトイレ」などいろいろだが・・・・・以下説明の便宜上♿トイレとする)。いつもは覗けない内部をじっくり見ることができた。(オフィス、デパート、ドラッグストア、駅。病院など7か所)✦♿トイレに設置されている機器は①非常時呼び出しボタン②自動洗浄の便器・洗面器③ベビーシッター➃おむつ交換シート(乳幼児・オストメイトエイトのための)➄汚物入れ⑥傾斜鏡⑥点検結果をこまめに記録するメンテ表など。♿トイレの入口表示はいろいろだが、「多機能トイレ」「多目的トイレ」「だれでもトイレ」と文字で表示したところは一件もなかった。「みんなのトイレ」は一件あり。多かったのは車いすや妊婦、乳幼児、杖の人などをパターン化したサインだけの表示。✦内部の広さは設置機器により差はあるものの、車いすが回転できることが最低の条件。♿トイレの設置場所は男子用トイレと女子用トイレの中間がほとんどだが、最近オープンした近くのドラッグストアでは♿トイレと女子用の2つだけで男子用トイレは無い。健常の男子は♿を使うことになる。♿トイレは身体の不自由な人のためだけに設置されたものではないから健常者が使ってももちろん罪に問われることはない。
最後に♿トイレをめぐってのトラブルや問題点を挙げておこう。(実際のトイレ管理者などの意見を参考にした)
①介護者(男女を問わず)が一緒に入ることは当然ありうるが、言動や使用時間などから疑わしい介護者もいる。明らかにあやしい使われ方もある。
②ゴミ捨て場として使われることもある、(空っぽの旅行用キャリーバッグ、パソコンなど本来なら有料の粗大ごみ)③使った機器は元通りにしておくこと。本来の使用者が安心して使えることが♿トイレの使命である。他目的に使うことなかれ。